ドイツ・ブンデスリーガのSCフライブルクが、日本代表MF鈴木唯人を完全移籍で獲得。
北欧での実績を引っ提げ、23歳のアタッカーは欧州カップ戦とW杯予選を見据えた新たな挑戦へと踏み出します。
この記事では、鈴木唯人のキャリア、プレースタイル、代表での位置付け、そして今後の注目ポイントまで詳しく解説します。
- 鈴木唯人がSCフライブルクへ完全移籍、移籍金は最大13億円
- ブレンビーでの活躍が評価され、欧州リーグ出場チームへステップアップ
- 日本代表としての地位を固めつつあり、今後の成長が期待される
- 出場機会と欧州カップ戦での経験がキャリアの分岐点となる
フライブルク移籍が正式決定、移籍金は最大13億円
2025年5月20日、ドイツ・ブンデスリーガのSCフライブルクが、日本代表MF鈴木唯人(23)の完全移籍を公式発表しました。
移籍金は約700〜800万ユーロ(約11〜13億円)と報じられ、契約は2025年7月1日から有効となります。背番号は「14」に決定しています。
フライブルクは近年、戦術的な一体感と若手育成に定評のあるクラブ。攻撃陣の若返りを進める中、鈴木のようなスピードと創造性を兼ね備えた選手は大きな補強といえます。
鈴木唯人のキャリアと北欧での飛躍
鈴木唯人は清水エスパルスのユース出身で、トップチーム昇格後すぐに頭角を現しました。2023年にはフランスのRCストラスブールにレンタル移籍。
その後、デンマークのブレンビーIFに完全移籍し、欧州挑戦を本格化させました。
この“北欧ルート”は、日本人選手にとってステップアップの王道ルートとして知られており、鈴木もその例に漏れません。
ブレンビーでの2シーズンは、69試合で24ゴールという見事な成績を収め、クラブ内外から高く評価されました。
鈴木唯人、ブレンビーでの実績と成長
2023–24シーズンにはリーグ戦9ゴール・8アシスト。翌シーズンとなる2024–25年も38試合出場、12ゴール6アシストとキャリアハイを記録しました。
欧州カンファレンスリーグ予選では開幕からゴールとアシストを記録し、チームの攻撃の中心として活躍。
ブレンビーのサポーターが選ぶベストイレブンにも選出されるなど、クラブ内でも確固たる地位を築きました。
このような活躍が、今回のフライブルク移籍へと繋がったのは言うまでもありません。
プレースタイルとフライブルクでの役割
鈴木は主に右サイド、またはセカンドストライカー、トップ下でプレー可能な攻撃的ミッドフィールダーです。
左右両足でのプレーが可能で、狭いスペースでのパスやシュート、ドリブルでの突破力を武器としています。
フライブルクのスポーツディレクター、ヨッヘン・ザイアー氏は「ゴールもアシストもこなすスピードと柔軟性を備えたプレイヤー」と語り、大きな期待を寄せています。
出場機会さえ得られれば、チームの攻撃陣の中核となる可能性も十分にあります。
日本代表での台頭と今後の期待
鈴木は2024年6月6日、ワールドカップアジア予選のミャンマー戦でA代表デビューを果たしました。
出場時間は限られましたが、続くオーストラリア戦ではスタメン出場し、フル出場でインパクトを残しました。
森保一監督も「将来性があり、今後の代表を背負うポテンシャルがある」と評価。
久保建英、堂安律といった主力との競争も激しくなる中で、鈴木が安定的にポジションを確保できるかが注目されます。
出場機会が鍵となるブンデスでの挑戦

ブンデスリーガは欧州の中でも特にフィジカル強度が高いリーグです。鈴木にとってはこのフィジカルバトルに対応できるかどうかが最初の壁となるでしょう。
ポジション争いは熾烈ですが、北欧での経験を活かし、競争の中で信頼を勝ち取ることができれば、日本人選手としての新たな成功例となる可能性があります。
欧州カップ戦での経験がカギに
フライブルクは2024–25シーズン、UEFAヨーロッパリーグ(EL)出場権を獲得しており、鈴木にとっては国際舞台での経験を積む絶好のチャンスです。
ELでの活躍は、代表定着にも直結し、キャリアをさらに押し上げる要素となります。
OB内田篤人氏の評価と正念場
元日本代表DFの内田篤人氏は「五輪世代でも群を抜いていた存在。ブンデスで出場機会を掴めれば、代表の中心選手になれる」と高評価を与えています。
逆にいえば、出られなければ埋もれてしまう可能性もある厳しい立場。まさに今が正念場といえるでしょう。
日本サッカーにとっての意義

筆者自身は、鈴木唯人のように“個で局面を打開できる”プレイヤーの存在は、日本代表の攻撃オプションに多様性をもたらすと考えています。
久保建英や三笘薫が持つ爆発力とは異なる、スピードと技術、判断力を融合させた鈴木のプレーは、新たな軸になり得るでしょう。