2025年6月時点で25歳となった日本代表ディフェンダー・菅原由勢選手。愛知県豊川市出身の彼は、Jリーグからオランダ、そしてプレミアリーグとキャリアを積み上げてきました。
現在はイングランドのサウサンプトンFCに所属し、右サイドバック(SB)やミッドフィールダーとしてプレーしています。
これまでの活躍や今後の展望について、最新の情報をもとにわかりやすく解説します。
- AZ時代はオランダで実績を残し、3年連続でベストイレブンに選出
- 2024年にプレミアリーグのサウサンプトンへ移籍し、前半戦は主力として活躍
- 所属クラブの2部降格により、移籍の可能性も浮上中
- 日本代表では右SBのレギュラーとしてW杯予選でも起用されており、今後の中心選手候補
名古屋でプロキャリアをスタートし、10代で海外挑戦へ
菅原選手は名古屋グランパスのユース出身で、2018年にトップチームに昇格。17歳でJ1デビューを果たし、名古屋史上最年少記録でプロ契約を結びました。
早くから高い評価を受けており、将来の日本代表候補として注目されていました。
そして2019年、19歳のときにオランダの名門・AZアルクマールへローン移籍。1年後には完全移籍が決定し、ヨーロッパでのキャリアを本格的にスタートさせました。
オランダで実績を積み、欧州ベストイレブンにも選出
AZでは毎シーズンのように主力として活躍し、エールディヴィジのベストイレブンにも3年連続で選出されました(2021〜2023年)。
攻撃参加に優れ、特にクロスの精度が高く、チャンスメイク能力に定評があります。
2023–24シーズンには、公式戦40試合で4ゴール8アシストを記録。守備面でも成長を見せ、ヨーロッパでの評価が一段と高まりました。
AZ時代には、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグでも好パフォーマンスを見せ、国際舞台での経験も豊富です。
2024年夏、イングランド・サウサンプトンに完全移籍
2024年7月、ついにステップアップを果たし、プレミアリーグのサウサンプトンFCへ完全移籍。移籍金は非公開ですが、8〜10億円前後とも報じられています。
加入当初は右SBのレギュラーとして出場し、持ち味のクロス精度は「プレミアでも屈指」と称されるほど。12月には途中出場で決定機を演出するなど、存在感を発揮しました。
しかしチームの不振により状況が一変。サウサンプトンは2024–25シーズンでリーグ最下位を記録し、7試合を残して史上最速でチャンピオンシップ(2部)降格が決定。
菅原選手も監督交代後に出場機会が減少し、4月にはベンチ外になる試合も出てきました。
クラブ移籍の噂と残留の可能性
クラブの降格が決定したことで、菅原選手の去就に注目が集まっています。
イタリア・セリエAのナポリやインテル、イングランドのブライトンやエヴァートン、ドイツのヴォルフスブルクなど、複数のクラブが関心を示していると報じられています。
ただし、現時点ではサウサンプトンがプレシーズンに向けて菅原の残留を前提としたチーム作りを進めているとも言われており、すぐに移籍が決まるかは不透明です。
正式なオファーが届いた場合の対応が、今後の鍵を握ることになりそうです。
日本代表としての立ち位置と今後の期待
日本代表では2023年以降、右SBとして定位置を固めつつあります。
2023年9月のドイツ戦(4-0勝利)では攻守にわたって高いパフォーマンスを披露し、世界的にも注目されました。2025年3月のW杯予選・北朝鮮戦にも出場するなど、代表でも安定した起用が続いています。
アジアカップでは8強敗退という結果に終わったものの、個人としては高い評価を得ており、2026年北中米W杯に向けて右サイドの中心的存在であることは間違いありません。
菅原由勢の将来性と課題

25歳という年齢は、サッカー選手として最も成長できる時期でもあります。
オランダとイングランドでの経験を通じて、菅原選手は戦術理解やメンタル面でも成熟してきており、「守備面の安定性を高めれば欧州トップクラブでも通用する」と専門家からも評価されています。
一方で、課題もあります。特にフィジカル面や対人守備の強度については、プレミアリーグのスピードに対応するにはさらなる向上が必要です。
また、所属クラブの状況が不安定な中で、安定した出場機会を得るための移籍判断も重要なポイントとなります。
菅原由勢は右サイドの未来を担う存在に
菅原由勢選手は、10代での欧州移籍、オランダでの実績、プレミアリーグ挑戦、日本代表での定着など、若くして多くの経験を積んできた注目のディフェンダーです。
今後、クラブレベルでどのような決断をするかが、彼のキャリアの分岐点になるでしょう。仮にセリエAやプレミアの上位クラブへの移籍が実現すれば、さらなる飛躍が期待されます。
また、2026年のW杯本大会に向けては、日本代表の右SBとして不動の地位を築くことが求められます。
クロス精度、戦術対応力、メンタルの強さを武器に、世界の舞台での活躍に今後も注目が集まる選手です。