2024-25シーズン、イングランド・チャンピオンシップで絶対的な存在感を放ち、リーズ・ユナイテッドをプレミアリーグ昇格へ導いた日本代表MF・田中碧(たなか・あお)。
彼の活躍はもはや「日本人選手の海外挑戦」の枠を超え、欧州屈指の“中盤の核”として注目されています。
ここでは、田中選手のシーズン成績やプレミア挑戦への展望、そして日本人選手としての価値について詳しく掘り下げていきます。
- リーズ・ユナイテッドの主軸としてリーグ優勝&プレミア昇格に大きく貢献
- 圧巻のスタッツと個人タイトル3冠でクラブ内の評価が急上昇
- 日本代表としても評価上昇中、今後はワールドカップ予選でも鍵を握る存在に
- プレミアリーグでの適応力と、さらなるビッグクラブ移籍の可能性にも注目
リーズでの活躍:中盤の“エンジン”として走り抜けた1年
2024年夏にドイツのデュッセルドルフから移籍した田中碧は、加入1年目からレギュラーに定着。チャンピオンシップでは43試合に出場し、5ゴール2アシストを記録。
数字以上に評価されたのが、彼の「試合支配力」でした。
- インターセプト:54回(チーム最多)
- パス本数:2,379本(高精度のショート&ロング)
- タックル成功率・運動量ともにリーグ上位
これらの数字が証明するのは、「攻守の切り替え」における万能性。
とりわけプレッシング耐性の高さと、ミドルレンジからのビルドアップは、プレミアリーグを見据えるクラブにとって理想的な中盤像そのものでした。
個人賞3冠の快挙:クラブとファンからの絶大な支持
2025年5月、クラブは田中に対して3つの栄誉を贈りました。
- 選手間投票による年間最優秀選手賞(Players’ Player of the Year)
- クラブベストイレブン選出
- ファン投票による年間ベストゴール賞
とくにベストゴール賞を受賞したのは、4月末の試合で決めた右足ミドルシュート。田中が得意とする、ペナルティエリア手前からの一撃で、ゴール裏のファンを熱狂させました。
この3冠は、監督やチームメイト、そしてファンすべてからの信頼を得た証でもあり、今後のプレミアリーグでの活躍を裏付けるものです。
プレミア挑戦とライバル出現:中盤の座はどうなる?
2025年6月現在、リーズはブラジル代表MFドウグラス・ルイス(ユヴェントス)を中盤の補強ターゲットとして交渉を進めていると報じられています。
しかし、これは田中にとって“ピンチ”ではなく、むしろ“チャンス”です。
- プレミアでの過密日程に対応するためのローテーション要員
- フォーメーション変更(4-2-3-1 → 4-3-3)に伴う同時起用案
- 若手の中盤選手へのメンター的な役割も期待
田中がこのポジション争いを勝ち抜けば、プレミアでの「成功例」として、次なる日本人選手の道を切り開く存在になり得ます。
日本代表での存在感:森保ジャパンの“頭脳”に
国際舞台でも、田中碧の評価は高まっています。
- 通算出場:32試合8得点
- W杯2022・スペイン戦で決勝ゴールの起点に
- W杯2026アジア最終予選の中核として期待大
とくに注目されているのは「守田英正とのダブルボランチ」。守備力と展開力を兼ね備えた“W司令塔”の構築は、日本の新たなスタイルとなっています。
来る2026年北中米ワールドカップで、田中の視野と判断力は世界を驚かせるはずです。
田中碧の強さは“派手さより堅実さ”
筆者として注目したいのは、田中碧の“地味だけど超重要な仕事”です。パスの中継地点として正確に配置され、味方を前向きにさせる。
リスクを最小化しながら攻撃へとつなぐ。このプレースタイルは、現代のプレミアリーグに最も求められている要素です。
過去には南野拓実や香川真司といった「前線で魅せるタイプ」が注目されてきましたが、田中のように“組み立てで魅せるMF”が欧州で評価されるようになったことは、日本サッカーの進化そのものだと感じます。
田中碧は“静かなるリーダー”として、次の時代を切り拓く

田中碧は、技術、戦術理解、メンタルすべてを備えたオールラウンダー。
今季の活躍で欧州中のスカウトが注目する存在になり、今後はプレミアでの活躍次第でさらに上位クラブへの移籍も現実味を帯びてきました。
2025–26シーズン、田中碧がピッチでどんな進化を見せるのか──その一挙手一投足に、世界が注目しています。