マンチェスター・シティで栄光と苦悩を経験したジャック・グリーリッシュが、今夏の移籍市場でクラブを離れる可能性が高まっています。
イングランド代表MFの今後は、どこに向かうのでしょうか?
プレミアリーグ内外の移籍先候補や、移籍実現のカギとなる条件を詳しく解説します。
- グリーリッシュはシティ加入以来、プレミアリーグ3度制覇、トレブル達成に貢献。
- 近年は負傷と不振で出場機会減少、2024-25シーズンはわずか715分出場。
- トッテナム、ニューカッスル、アストン・ヴィラ、海外クラブなどが移籍先候補。
- 高額年俸(週給30万ポンド)が最大の障害。ローン移籍が現実的な選択肢になる可能性も。
栄光から苦難へ…シティでの4年間
2021年にアストン・ヴィラから英国史上最高額の1億ポンド(約200億円)でマンチェスター・シティに加入したグリーリッシュ。
当初は夢のようなスタートを切り、プレミアリーグ優勝3回、トレブル達成など数々のタイトル獲得に貢献しました。
しかし、29歳を迎えた近年はケガとパフォーマンスの低下に悩まされ、過去2シーズンでプレミアリーグ先発はわずか17試合。
今季は控えに回ることが多く、終盤戦ではメンバー外になることもしばしばでした。さらに、イングランド代表のEURO2024メンバーからも外れ、状況は厳しさを増しています。
シティとの関係は良好も「今が潮時」
ペップ・グアルディオラ監督やクラブ幹部からの信頼は今も厚いグリーリッシュですが、来季はスカッド縮小方針もあり、双方が移籍のタイミングと認識。
選手自身も新天地での再出発を希望しています。
シティは完全移籍を優先したい意向ですが、必要ならローン移籍も容認する構えです。
ただし、移籍金や給与の折り合いが最大の課題です。
移籍先候補クラブを徹底分析
プレミアリーグ内の可能性
▶︎ニューカッスル
PSR(収支均衡規則)の制約があるものの、現実的に最有力候補とみられています。
グリーリッシュの給与を一部引き下げる必要はあるが、チャンピオンズリーグ出場権もあり本人にとって魅力的。
▶︎トッテナム
以前から関心を寄せており、来季はCL出場権も確保。ただ、既存の移籍金支払い残高(3億3000万ポンド超)が足かせとなる可能性あり。
▶︎アストン・ヴィラ(古巣)
感情面では理想の復帰先だが、ヴィラは給与削減を優先しており、現実的には困難。
▶︎エヴァートン
財政面で全く現実的ではない。
海外クラブ
▶︎バルセロナ
かつては興味を示したが、現在は財政難と補強方針変更で撤退済み。
▶︎ACミラン/ナポリ
給与面で折り合いが難しく、ナポリはすでにデ・ブライネ獲得に注力。
▶︎インテル/ドルトムント
交渉の余地はあるが、いずれもシティの要求を満たすだけの資金力には疑問符。
サウジアラビア
最後の選択肢はサウジ移籍。現役続行の舞台としては安定しているが、キャリアとしては「落ち目」と見なされるリスクも高い。
ただ、最近ではイバン・トニーのようにサウジから代表復帰する選手もおり、必ずしも代表キャリアの終わりとは言い切れません。
金銭面が最大の障害
現在の週給30万ポンド(約6000万円)は、ほとんどのクラブが負担できない水準。
シティも完全移籍での放出を希望しますが、1億ポンドの移籍金は到底望めず、大幅な減額は避けられません。
もしシティが大幅な減額を容認し、かつ移籍先が契約金(サインオンボーナス)で給与減を補填すれば、プレミアリーグ内のビッグクラブが動く可能性は残ります。
だが、それでも全体像は「複雑」の一言に尽きます。
グリーリッシュ移籍の現実解とは?
個人的には、ニューカッスルが最も妥当な着地点だと考えます。
サウジ資本による強化、プレミア残留、CL出場、世代交代が進むスカッド――すべての条件が合致しています。
トッテナムも悪くない選択肢ですが、財政面での余力はニューカッスルに劣ります。
一方、完全移籍がまとまらなければローン移籍+シティの給与補填という、複雑なパッケージが現実味を帯びてくるでしょう。
サウジ行きは、まだ時期尚早とも言えます。
去就注目のグリーリッシュ、次なる決断はキャリアの分岐点に
マンチェスター・シティでの4年間は、まさに天国と地獄を味わうような期間だったグリーリッシュ。
歴史的なトレブル達成に貢献した一方で、負傷やパフォーマンス低下に苦しみ、今や新たな挑戦を模索する時期を迎えています。
移籍先としては、ニューカッスルやトッテナムといったプレミアリーグの野心的クラブが有力視される一方で、財政面ではどこも一筋縄ではいきません。
海外移籍も可能性は残るものの、欧州主要クラブの財政事情やチーム編成方針がネックとなり、最終的にローン移籍や給与負担の分担といった複雑な取引スキームが必要になる可能性も高まっています。
グリーリッシュ自身は、依然としてトップレベルでのプレーを望んでおり、代表復帰も視野に入れているはずです。
そのため、キャリア終盤を飾る「賢明な選択」が求められます。
2025年夏、グリーリッシュの移籍劇はサッカーファンのみならず、移籍市場全体を大きく揺さぶる注目案件となるでしょう。今後の一手に世界中の視線が注がれています。