2023年の欧州王者マンチェスター・シティが、アメリカで開催中のクラブワールドカップ2025で快進撃中です。
今大会はグループGに所属し、ユヴェントス、ウィダードAC、アル・アインと同組。
注目の新加入選手たちがいきなり存在感を示し、ベテランと若手が見事に融合。決勝トーナメント進出を早々に決め、あとはグループ首位通過をかけてユヴェントス戦を迎えるのみです。
- マンCはウィダードAC戦で2-0、アル・アイン戦で6-0の完勝スタート
- 新戦力ラインデルス、シェルキ、アイト=ヌーリらが早速スタメンに定着
- ギュンドアン、エチェベリ、フォーデンらがゴールで結果を残す
- ロドリが重傷から完全復帰し、守備と組み立てに安定感
- 次戦は6月26日、グループ首位通過をかけてユヴェントスと激突
フォーデン&ドク弾で白星発進!若手が躍動した初戦
初戦はアフリカ王者ウィダードACとの対戦。2-0の完封勝利で、危なげないスタートを切りました。
この試合で先発デビューしたのが、ACミランから加入したラインデルスとリヨンからやってきたシェルキ。
まだ若い2人ですが、すでに戦術理解が進んでいるのか、ペップのチームに自然に溶け込んでいました。
ゴールを決めたのは、攻撃の中心となるフィル・フォーデンとジェレミー・ドク。両ウイングのスピードと仕掛けがこの試合でも際立ちました。
6-0圧勝!ギュンドアン&エチェベリが主役に
第2戦はアジア王者のアル・アインと対戦。結果はなんと6-0の圧勝。これで決勝トーナメント進出が確定しました。
ここで注目なのが、ギュンドアンの2ゴールと、アルゼンチンの若手クラウディオ・エチェベリの直接FKゴール。エチェベリは今大会の“隠れMVP候補”と言っても過言ではありません。
技術が高く、状況判断も冷静。将来のバロンドール候補になるポテンシャルを感じさせます。
また、新加入のシェルキもこの試合で得点し、勢いそのままにユヴェントス戦へ突入します。
現地6月26日、ユヴェントス戦で首位通過を狙う
グループGの現在の順位は、以下の通り。
順位 | チーム名 | 勝点 | 得失点差 |
---|---|---|---|
1位 | マンチェスター・シティ | 6 | +8 |
2位 | ユヴェントス | 4 | +3 |
この状況で迎える6月26日のユヴェントス戦。
勝てば文句なしの首位通過となり、準々決勝でレアル・マドリードとの対戦を避けられるという大きな意味を持ちます。
つまり、グループG首位通過は“優勝への最短ルート”とも言えるわけで、ペップにとっては絶対に落とせない試合でしょう。
登録メンバーにも注目!世代交代が本格化
今大会の登録メンバー27名を見て明らかなのは、マンチェスター・シティが世代交代を着実に進めていることです。
特に目を引くのは
- ジャック・グリーリッシュ(29)
- カイル・ウォーカー(35)
- カルヴィン・フィリップス(29)
といった主力経験者がメンバー外になっている点。
いずれも移籍の可能性が高く、すでに新たなステージに向けた準備が始まっていると考えられます。
その一方で、今大会でスタメン入りしているのが以下のような新戦力や若手たちです。
選手名 | 年齢 | 所属経歴 | 特徴・役割 | 評価ポイント |
---|---|---|---|---|
ティジャニ・ラインデルス | 26歳 | ACミラン | 戦術理解度が高く、攻守のバランスに優れる中盤の司令塔 | ロドリとの相性が抜群で即スタメン定着 |
ラヤン・シェルキ | 21歳 | リヨン | 左利きのテクニシャン。狭いスペースでも仕掛けられるFW/AMF | すでに得点も記録。ペップのお気に入り候補 |
クラウディオ・エチェベリ | 19歳 | アルゼンチンU代表 | 司令塔タイプ。FKやスルーパスの精度が高く創造力に優れる | 将来のバロンドール候補との呼び声も |
オスカー・ボブ | 21歳 | マンC下部組織 | カットインやポジショニングに優れた万能型ウイング | 控えながらも得点に絡み存在感を発揮 |
また、守備面ではラヤン・アイト=ヌーリ(23)がウォルヴァーハンプトンから加入し、左SBの新たな主役として注目されています。
チーム全体として20代前半〜中盤の選手がスタメンの半数を占める構成となっており、数年前の“経験重視”の色合いからは明らかに変化が見られます。
ペップの狙いは「未来への布石」

ペップ・グアルディオラは今大会を単なるタイトル獲得の場ではなく、新体制への移行期と捉えている節もあります。
特に中盤とサイドバックの配置には柔軟性があり、「誰が軸になってもシステムが崩れない設計」が感じられます。
今後数年を見据えて、若手に国際舞台での経験を積ませる狙いがあるのは間違いないでしょう。
このように、今大会のマンチェスター・シティは“勝ちながら世代交代を進める”という非常に難しいミッションを、見事に実行しています。
【2025クラブW杯】今大会のマンチェスター・シティ注目ポイント5選|戦術・選手・ペップの狙い
今大会のマンチェスター・シティは、単なる強豪という枠を超えて、“進化するチーム”という印象を強く与えています。
以下に、現時点(2025年6月24日)での注目ポイントを整理しました。
若手の抜擢が大成功。エチェベリ&シェルキが台頭
10代のクラウディオ・エチェベリと、リヨンから新加入のラヤン・シェルキが早くも結果を残しています。
特にエチェベリは、FKの精度や視野の広さ、ポジショニングセンスが一級品。
彼のような若手が大会で結果を出すと、市場価値も爆上がりするだけでなく、将来のバロンドール候補として名前が挙がることもあります。
一方シェルキは、“フレンチ・メッシ”の異名を持つドリブラータイプ。
ウィダードAC戦ではボールタッチ数こそ少なかったものの、決定的な場面で得点を演出し、「少ないチャンスを結果に変えるタイプ」としてペップに重宝されそうです。
ペップの新布陣が機能。疑似FWレスの実験も
今大会のシティは、「ハーランド頼み」のチーム構成からの脱却を見せ始めています。
たとえば、アル・アイン戦では中盤に3人の“10番タイプ”を並べ、攻撃時には疑似FWレスに近い流動的な配置を採用。
ギュンドアン、エチェベリ、シェルキが自由に動くことで、相手DFはマークを定められず、ズルズルと下がる形に。
これはペップがバルセロナ時代から見せてきた「ポジショナルプレーの進化系」であり、クラブW杯という大舞台でも迷いなく試しているところに“優勝&実験”の両立を狙う余裕が感じられます。
ロドリ復帰で中盤の守備が安定。全体のリズムも改善
ロドリは長期離脱から復帰したばかりですが、ウィダードAC戦・アル・アイン戦ともにピッチ上の“司令塔”として存在感を発揮。
- ボール奪取からのショートカウンター
- 最終ラインへの的確なカバー
- 試合の“間”を作る緩急の付け方
これらのプレーは、データに表れにくいものの、チーム全体の戦術的な整合性を保つ要となっています。
プレミアリーグでは「彼なしでは成立しない」とまで言われた存在ですが、今大会でもそれは健在です。
守備陣も強化。新加入アイト=ヌーリに注目
今大会で左SBのスタメンに抜擢されているのが、ウォルヴァーハンプトンから今季加わったラヤン・アイト=ヌーリ。
攻撃性能の高さに加え、1対1の守備も安定しており、ポゼッション時には中盤への絞りもスムーズ。
いわゆる“インバートSB(内側に入るSB)”としての役割もこなせるため、グヴァルディオールと交互に起用される可能性もあります。
守備面では2試合連続クリーンシート。グヴァルディオール、ルベン・ディアス、アカンジ、アイト=ヌーリと層の厚い守備陣が今大会の安定感の要です。
ハーランドはまだ全力ではない。それでも勝てている強さ
ここまで2試合で1ゴールと、数字上はややおとなしめのエルリング・ハーランドですが、彼を“中心にしない”戦い方でチームが機能しているのはポジティブなサイン。
ペップとしては、グループステージでハーランドに過剰な負荷をかけず、決勝T以降で“爆発”させるプランの可能性もあります。
ハーランドがいなくても点が取れる今のシティは、“完成度の高さ”と“戦術的柔軟性”の両方を持ち合わせたチームと言えるでしょう。
この勢い、本気で連覇狙えるレベルです
現時点でのマンチェスター・シティは、完成度と層の厚さで他クラブを一歩リードしている印象です。
- 若手の台頭
- 新加入の即戦力化
- ベテランの健在ぶり
- そしてペップの柔軟な戦術
この4点が絶妙に噛み合い、正直「今大会のベストチーム」だと断言しても差し支えないほど。
次のユヴェントス戦は、優勝を占う分水嶺。真の王者か、それとも挑戦者に落ちるのか。6月26日の試合が待ち遠しいですね。